事業融資で複数の銀行と取引することの重要性について。
事業融資で銀行と取引を持つ場合、できるなら「メインバンクとそれ以外の複数の銀行」と取引を持つようにすることで、いくつかのメリットがあります。
このページでは特に、
事業融資を受ける際
にメリットがある理由を、以前銀行に5年勤めていた私の経験から事例などを交えてご紹介します。
ぜひ最後まで読んでいただき参考にしてみてくださいませ。
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メインバンクを持つ<
1行との取引なら、必然的にその1行がメインバンクですが、複数の銀行との取引をする場合、まずメインに取引する
1行を決めるべきです。
その理由として、融資以外の取引(振込、社員への給与振込口座、保険、海外送金、税金の支払い、等)は、平等に分けることは相当な手間となり、効率が悪くなりますので、
基本的にはメインバンクを持って、そこに取引を集約しておきます。
そして事業融資に関しては、複数の銀行との付き合いを増やして各行に打診できるようにしておきます。
では次に事業融資における複数の銀行と取引しておく必要がある理由とメリットを解説します。
1つの銀行にはそれぞれ1つの企業に対する融資の限度額がある
銀行では業種や企業の業績などによってそれぞれに融資の限度額が決定されます。
ですので、1行より2行、2行より3行と複数の銀行との取引を持っておくことで、融資上限額総額を増やすことができやすくなります。
業績の良いときは積極的に融資実績を作っておく
業績が伸びてこれからさらに融資が必要となるときには、銀行も成長している企業にお金を借りて欲しいという姿勢で接してきます。
ですので条件等も借りる側に有利に進めやすくなります。
より条件の良い(金利が低い、期間が長い)銀行から借りられるようになりますし、また銀行にも○○銀行はこういう条件だったのですが、と交渉を持ちかけることもできます。
その状況の時には、複数の銀行(3~5)と取引を開始して、条件等の比較をしながらメリットの高い銀行と取引するといいでしょう。
また各銀行では1番初めの取引では、融資までに時間がかかります。
特に累計融資金額(借入残高)が大きくなるほど審査にも時間がかかるようになります。
ですので、喫緊で必要な資金ではなくても、まずはどこ銀行とも申し込みをしておき、融資の実績を1つでも作っておくことをオススメします。
そうすれば、次回以降の取引での融資実行までの時間を短縮させることができやすくなります。
審査結果が銀行によって違う
複数の銀行と取引を持っておくと、ある銀行では融資がおりなくても、まったく同じ内容で別の銀行では融資を受けられることもあります。
これは、銀行によって審査するポイントが違うためです。
万が一の業績悪化時に備えるためにも複数の銀行と取引しておくべき
日ごろから融資を分散しておくことで、業績悪化のときの事業融資を獲得する可能性を広げることができやすくなります。
実は銀行間では、融資の割合を調整しています。
例えば、メインバンクの融資割合が50%を維持、2番手が30%、3番手が20%としていた企業が、次の融資の申し込み5,000万円を3番手に打診したとします。
その結果、融資割合はメインバンク33%、2番手20%、3番手は47%に変動します。
企業の業績が好調な時には、銀行はメインバンクの座を狙っているので融資を受けることに問題は生じません。
しかし、業績が下降しているときには、この話を受けた3番手の銀行はメインバンク、2番手が融資取引を断っているか縮小傾向に舵を切ったのではないか?と懸念します。
結局3番手の銀行は、メインバンクに1度持ち込むように話をしたり、今まで通りの割合で(2,500万円、1,500万円、1,000万円)再度各銀行に融資を申し込むようすすめます。
ですので、まずはメインバンクでどのくらい融資の実行が可能か?から進めていきます。基本的に業績悪化時にはメインバンクと二人三脚が理想です。
しかしながら、業績悪化の時はメインバンク1行で必要な融資実行を勝ち取れない可能性も高いといえます。
その場合、メインバンクからできるだけ希望の融資額の取引をしてもらえるよう、申し込みをします。それでメインバンクは継続して融資する姿勢であるというエビデンスを作ります。
そして、ほかの銀行に安心感を与えつつ、それにならって分散して融資取引を打診していきます。メインバンクが融資の姿勢を見せればサブバンクも打ち切らずに継続する事の方が多いです。
業績悪化での事業融資ではメインバンクであっても、万が一の場合のことを考えると、当1行で支えるより、
融資分散できるならしてもらった方がリスク回避ができるという気持ちもあります。
まずメインバンクでできる限り融資金額を勝ち取りつつ、足らない部分は2番手、3番手というように分散された融資で補うよう進めていくのが王道です。
最悪の場合、メインバンクで断られても複数の銀行と取引しておき、しっかりと交流を深めておけば、
融資の持ち込みを受けてくれる銀行ができる可能性はあります。
(1番手が断っても、各銀行の判断・審査基準なので貸してくれる銀行はある)
できるだけ複数の銀行と取引を持っておけば資金ショートなどを回避できやすいことは間違いありません。
※このお話しは私が以前銀行で勤めていた際、事業性融資の担当をしていたときに経験してきた実際のお話しです。
業績が順調な時こそ、普段から複数の銀行との付き合いを考えておいてください。そうすれば業績悪化の時は力になってくれることを期待できます。
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